高木 栖鶴 たかぎ せいかく
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貧すと雖も浮雲の富を求むる勿れ。 窮すと雖も丈夫(ますらを)の志を屈する勿れ。 貧窮の者、世の常也。 矯々(=超然としたさま)として龍の如く、耽々(=樹木がこんもり茂り重なるさま)として虎の如し。 徳を修め、力を潜め、尚 一陽来復(=また訪れるであろう好機)の時を待つべし。 若し逢わざる時は其の名を隠し、以て天命を楽しむべし |
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133.3p×49.6p |
明治8年(1875)生〜昭和期(193?)歿 |
名は繁、号を栖鶴と称す。香川の出身で東京に居し、明治後半から昭和初期にかけて活躍した。明治41年の『全国書画一覧表』の中央下段に位置する、「書之部」の最高名家欄には、河野一鶴・海上胤平・日下部鳴鶴・中根半嶺・高林五峰・尾形雲海・西川春洞らと共に、その名が記載されているが、具体的な活動は不明である。 「栖鶴」の下に、白文の「高木繁印」と、朱文の「栖鶴」の落款印が押されている。 推奨サイト http://www.ic.daito.ac.jp/~oukodou/gallery/pic-1990.html 坂本龍馬直柔 雖貧勿求浮雲富雖窮勿。丈夫志屈矯矯如龍沈沈如虎。潜身隠名当待一陽来復時。 たとえ貧すと雖も不義の富貴を求めてはならない、又窮乏したからといって丈夫はその志を屈してはならない、 一度たてば猛きことは龍の如く沈まりかえったときは虎のように身をひそめ、名をかくして、また訪れるであろう好時機を待とうではないか。 |